戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

昔の写真からみた未来…

戸隠竹細工の伝統を今後に伝えるため

 

100年前の技術がわかる証拠が欲しい…

 

ちょっと難しいお題に挑戦中です。

 

 

いろいろとあたっています。

 

館内をさがすと、こんなものもあったっけ…という発見もあります。

 

以前にいただいたふるいアルバムの中に、

それらは眠っていました。

 

博物館の周辺「柵(しがらみ)」では、かつて紙漉きが有名でした。

楮(こうぞ:このへんでは❝カズ❞と呼ぶらしい)から繊維を取り出し、漉く…

 

「深山紙」と呼ばれていました。

 

その製造所や道具の写真です。

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用途に応じて、紙をすく段階から型があります…

 

 

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これはおもしろい…

 

無駄をなくす、SDGsな発想です。

 

また、このアルバムの持ち主は、教員をしていたため、

 

学校の運動会、各地への旅行等の写真も記録に残ります。

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小学校の運動会

 

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大正池… できたばかりで、池の中に木がたくさん…

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昔も海水浴は、楽しかったらしい… 水着のバリエーションが面白い…

 

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国宝松本城のお濠でスケート…

 

そんなことができたという、おおらかな時代…

 

 

 

今から約100年前の風景です。

 

竹細工の技術の証明にはなりませんでしたが、

 

人が人として生きている時代の証です。

 

考えてみれば、

第1次世界大戦中から世界中に広がったパンデミック

スペイン風邪の大流行後の写真ですね。

 

今のコロナ禍が過ぎ去れば、

こうした平和な時代が再びやってくるであろうという、

希望の写真なのかもしれません。

 

未来は、過去が証明してくれます。

 

博物館の資料には、そうした意味もあるのだ、

ということを感じさせてくれる資料でした。

 

今日もおあとがよろしかったでしょうか?

 

柴犬館長!

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🐕「よくぞ申した、秘書よ…ちょっとだけ成長したな…」

 

冷戦は終わり、デタントを迎えています…

館の周囲の寒気も去ってくれればよいと願います。