ワシは柴犬館長…
いつの間にか立秋をすぎ、暦の上では秋じゃ…
ワシも一つ年を重ね、一皮むけた柴犬となったのじゃ…
地域を守る責務が増したというもの…
そんな中、今朝は本物の盗難事件じゃ…
一本のトウモロコシが落ちていたぞ…
これは、近所の畑からの盗難品じゃ…
人様が大切に育てた作物の上前をはねる、
という極悪非道の犯罪…
今回は徹底的に捜査し、立件に持ち込むのじゃ…
まず、残り香から犯人を特定じゃ…
クンクンクン…
こうした事件では、秘書は全く役に立たんのでなぁ…
われら日本犬にくらべ、秘書の嗅覚はまったくの未熟…
うんうん、この犯人の臭いは特定できた…
ヨシ、これで110番じゃ、秘書よ、警察に届けるのじゃ…
なに… 第三者では被害届は出せぬといわれたのか…
証拠も吾輩の頭脳の中に記憶されているというのにか…
これでは、地域の治安は守れぬぞ…
なに、柴犬の嗅覚の記憶だけでは立件もできぬのか…
容疑者を捕まえてくれば、即座に指名して見せるのに…
あれだ、あれ、
犯人はおぬしじゃ、すべて日本犬にはお見通し…
あのセリフを吐けぬというのか…
それは柴犬だからか…
えーい、腹がたったら、腹が減った、
朝飯じゃ、朝飯…
これはお誕生日のごちそうじゃ…スペシャルごはん…
これはうまい、うまいぞ、秘書よ…これで今日は満足じゃ…
秘書の心の声「やはり、柴犬じゃ、食べ物で全てを忘れてしまう…
こんなんで…地域の治安は…大丈夫かのう…」
柴犬館長には、ご内密に…
今日もおあとがよろしいようで…