戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

ちりつも大作戦の成果

今日は、晴れてとても暖かくなりました…

 

長野地方気象台の計測では、本日の最高気温が13.5℃

11月中旬の陽気です…

 

🐕「暖かい、実にあたたかい…」

 

閑話休題

 

このブログでも時々紹介してきましたが、

地層観察の際に、瑪瑙(めのう)を拾うことができます。

 

拾って集めた小粒のメノウを瓶詰にしているのですが、

ときどき洗って、乾燥させています。



周りについた砂や泥が落ちて、さらに美しくなるからです…

 

よくまあ、こんなに拾ったものだ…

 

ちりつも(塵も積もれば山となる)大作戦です。


ひたすら拾い集めていますが、

漢字で書くと瑪瑙、つまり「馬の脳」が石になったもの…???

 

小野蘭山が享和3年(1803)に書いた「本草綱目啓蒙」の中にあるとのこと…

「馬ノ脳ニ赤キ文理アリ、此物相似タルヲ以テ名ク云」

 

🐕「へぇ~、そんなもんかいな?」

 

中国 明の時代に成立した「本草綱目」にその原点があるようです。

小野蘭山は、トガクシソウの学名「Ranzania japonica」所縁の学者です…

 

🐕「意外なところで、つながったのう… メノウだけに…」



柴犬館長のしょうもないおやじギャグのことはさておき

 

小粒のメノウもたくさん集まると美しい…

 

子どもたちに見せびらかして 

お見せして、学習意欲向上につなげるもの…



発見する喜びは何ごとにも変えようのないもの

 

 

昨日、遠くからお見えになった小学生たち

 

石ころを割って見せると

子どもたちの目も

このメノウに負けないくらい輝いていました

 

今日も、某大学の院生たちが見学して行きましたが、

本物を見て、考えると、みんなキラキラした目をしていました…

 

🐕「おもしろい、実におもしろい…」

 

本物にまさる教材はないのだ!

という、保科五無斎の教えは、今も生きています…

 

今日もおあとがよろしいようで…