戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

奥社の杜の秘境探検

寒い朝となりました。

 

 

気温は低めですが、朝から晴れて

館の入口のツツジが眩しく咲いていました。

 

さて昨日のことですが、

小雨が降る中、奥社の杜で巨木調査をしてきました。

10年に一度のこの調査。

雪が降る3月から行ってきましたが、

とうとう今年度、最後となり

奥社の社殿の周辺とその裏側の断崖、

本物の秘境を目指します^^

 

まずはウォーミングアップに参道沿いから

 

カナダからの旅行客に、英語で

 自分も同じような調査をしている!

 大学での調査か?

と声をかけられました。

 

 ミュージアムメンバー!

と必死に答える私たち・・・

 

何とか理解はしてもらえたようです^^

 

奥地に入り込むと、カモシカのねぐらが

あちこちで見られるようになりました・・・

 

 

ここの家主は、うんち量がハンパないです。

あまりの大量のため糞に

ハイテンションな調査メンバーは大盛り上がり><!

そんな我々を、家主が遠くから見ていたかもしれません^^;

 

沢に面した断崖の上での測定

 

 

この日のために、

人の手ではメジャーがまわせない巨木を測れるよう、

改良した「秘密兵器」が役にたちました!

 

さていよいよ奥社の裏、秘境中の秘境へ向かいます!

 

目指すは尾根上のクロベの巨樹です。

下見をした隊長による

 カモシカのけもの道を通れば、

 それほど大変でなくたどり着けます!

という言葉を信じて、

 

根曲がり竹のやぶをかき分け、沢を登り、

比較的登りやすい断崖にとりつき、格闘することしばし・・・

 

 

シラネアオイの群落に遭遇!

もう二度とここにこの季節に来ることは

無いかもしれない・・・

と思いながら、出会いに感謝しました。

 

しかし、隊長は首をかしげます・・・

 

 前通った道と違うなー・・・

 

濃い霧で見通しが悪く、感覚がずれたようです。

結局、さ迷うこと1時間ほど

戸隠の神様も、憐れみをかけてくれたのか、

目指す巨樹に、予定より違う方向からたどり着きました^^;

 

秘密兵器を現場でさらに改良し、

どうにかメジャーをまわして計測完了!!!

 

なんと、微妙に幹回り300センチの巨樹基準に達していない、

というオチまでついてきました(笑)

 

本来向かうはずの方向から巨樹を見上げると

 

大迫力!!!

いかにすごい場所に立っている木であるかがわかります。

これが計測する場所(胸高)では巨樹基準に達していないのだから、

世の中、フシギなものです。

 

とにかく今回は、メンバー全員が無事に帰れたことに

感謝です!

(今日は体のあちこちが痛いですが・・・^^;)

 

なお、調査は予期せぬ時間オーバーのため、

今年の冬前に延長になり、

「今期最後」はお預けとなりました・・・^^;

 

さらにおまけ

 

森林植物園の学習館前のトガクシソウの花は、

今週末まではもちそうです。