戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

博物館までの難所…

秘境博物館ともよばれる当館…

 

その難所を紹介することにしました…

 

野暮用で、通ったからです

(それだけ、ネタに困っているということか?)

 

長野県道86号戸隠篠ノ井線の中でも狭隘な場所…

 

鞍掛地籍か?

(鬼女紅葉の物語の主人公、平維茂が紅葉討伐の際に鞍をかけた岩があったらしい)

 

 

先日、支障木の伐採があり、ちょっと一安心しました…

 

 

H鋼がある場所の北側にスギの植林があり、崩れる危険性のあるところです…

 

雑木やスギの一部を伐採しました…

 

 

楠川の対岸から見るとこんなかんじです…

 

急な坂で、拡幅が進まないのがわかります。

 

スギのまわりにカラマツも植林してあります…

 

その植林の左側は、平成7年(1995)7月の大雨で崩壊した場所…

 

このカラマツやスギが植えてある部分も、崩落する危険性があるので、

 

その対策としてH鋼の杭が打ってあります…

 

 

ここだけ急傾斜になっているのは、

 

爺が岳火山が噴火した際の火砕流堆積物が自重と熱で溶結した

 

「溶結凝灰岩」でできているからです。

 

溶結凝灰岩は硬いので、急な地形をつくります

 

また、溶結凝灰岩には割れ目(節理)が発達し、その割れ目は多くの水を運びます…

 

それが、噴き出す場所が災害の発生場所にもなっています…

 

 

🐕「ふむふむ。博物館が秘境なのも、

   地質のおかげいや、せいなのじゃな…」

 

はい、そこは事実……でございます…

 

🐕「あきらめが大事じゃ… 悟るのじゃ、秘書よ…」

 

今日もおあとがよろしいようで…