戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

不思議な石にひらめく!

時々、博物館に石をもって来られる方がいます。

 

ああ、これは… 〇〇ですね!

 

と、すぐにわかる場合もありますが、

 

頭をかかえて、悩まなければならない場合もあります。

 

 

最近、悩んだものの一つは、コレ

 

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戸隠周辺で見られる、約160万年の火砕流堆積物なのですが、

 

戸隠まで流れてきたときには、まだ熱かったので、熱と重みで溶結したもの…

(溶結凝灰岩などと呼ばれます… ウェルデット・タフ…)

 

つまり、海ではなくなっていて、陸上に堆積したものだよ、という証拠です

 

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不思議なブツブツが見られました。

 

扁平につぶれた軽石なのでしょうか?

 

それにしても不思議な形、マシュマロのようなものかと思います。

 

これは、不思議なものですが、易しい方でした

 

 

 

 

 

 

次の石が、ちょっと手こずりました…

 

子どもさんが、駐車場で拾った石とのこと、

 

子どものこぶし大の大きさ、

キラキラとした均質感のある、金属光沢の粒が見られます。

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何じゃ?こりゃ?

 

自然の石じゃない?????

 

じゃあ、何かなぁ????

 

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悩みました。

 

鑑定士泣かせの石のようなもの…

 

うーん 駐車場に落ちていたって本当????

 

「どこかでみたことあるぞ… 」

脳内をぐるぐると検索してみたところ、はたとひらめきが…(^_^)v

 

そういえば、身近なものでした。

 

人造の「砥石」だ!…

 

普段、化石クリーニング用に釘を研ぐ、グラインダーと同じもの!!!!

 

ようやく、答えにたどり着きました。

 

砥石の破片が捨てられていたのですね…

 

産業廃棄物かもしれませんが、これで納得できました!

 

めでたし、めでたし!