戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

地震で思うこと… 

能登半島地震の被害の深刻さが、

日にちがたつにつれてわかってきています。

 

余震も続き、安否不明の方の数も増えています…

 

国土地理院の発表によれば、電子基準点の観測で、

能登半島では1m以上の隆起や1.2mにも及ぶ水平移動も確認されているようです…


今日、午前中お出かけした鬼無里から北アルプス

 

あの山の向こうが富山湾、そして能登半島

 

長野県北部、戸隠でも北西方向に6.4㎝ずれたようです。

 

あの山にちょっと近づいたのでしょうか???

 

考えてみれば、能登半島も地質学的には隆起を続け、海の中から隆起した場所…

能登半島に行った時、海成段丘が何段もあったことを思い出します。

 

この戸隠山も海底が隆起しつづけた結果でできた山並み、



博物館近くを流れる裾花川にも多くの河岸段丘があり、

長野盆地西縁断層の動きを示しているものと考えています。

 

🐕「地球が動いている証拠は、いろいろなところにあるのじゃ!」

 

 

 

それ以前に、お日様が昇ったり、沈んだりするのも地球の自転です。

 

朝焼けの西岳



そのスピードは、日本付近では時速1500㎞とのこと…

 

太陽の周りをめぐる公転の速度になると、時速11万㎞だそう…

 

昼や夜が来るのも、季節が変わるのもそのせい…

 

普段は動かないように感じているだけなのですね…

 

🐕「速度とは、相対的なものなのじゃ…」

 

🐕「かのアインシュタイン先生もおっしゃっていた…」

 



そう考えると、動いているのが当たり前の状態なのに、それに気が付いていない…

という話になりますね。

 

🐕「そうじゃ、そうじゃ…1mぐらいの移動が何じゃ…」

(これは、あくまで柴犬館長のお言葉であります…)

 

スケールが大きすぎると、わからないことだらけ…

 

そんなことも考えてしまいます…

 

宇宙や地球規模の大きなスケールの中で、

しかも、気の遠くなるような時間の中で生きていかねばならないわれわれ…

 

過去は何をしてきて、今は何を考え、

そしてこれから何をすべきか…

 

そんなことを災害の度に考えてしまいます…

 

多くのみなさんの無事が確認され、

救援の手が早く差し伸べられることを願ってやみません…

 

今日のところはこれで…