先日、近所の方が植物の鑑定に来られました。
青紫色の花びらがくねくねと反り返っていて、ちょっと見では何の仲間か見当がつきません。そのかたも、家の近くに生えているのを小さい時に見かけてから50年ぐらいナゾだったとか。
実はこの植物はキキョウの仲間で、名前をシデシャジンと言います。キキョウの花びらを細く裂いたらこんなふうと言えば、そんな気がしませんか? 名前の由来は、神主さんが持つ玉ぐしの先のぴらぴらした紙を「四手(しで)」と言うのですが、花びらがそれに似ていて、さらに漢方薬の「沙参(しゃじん)」つまりツリガネニンジン(同じくキキョウの仲間)の根にこの植物の根が似ていることからついた名前だそうです。
長年のナゾがとけて、こちらもうれしいですが、それにしても植物の名前って普段は私たちが目にしないような神社やお寺に関係するものがわりとあって、昔名前を付けた人がどんなものに関心があったのか知る手がかりにもなり、面白いです。