今日、戸隠のかたから鳥の死体が届けられました。今年生まれのトラツグミです。
黄色と黒のまだら模様が確かにトラを連想させます。ずんぐりしていて結構かわいいです。
この鳥、実は鳴き声が変わっていて、繁殖期である夏、夜になるとなんとも物悲しい口笛のような声で、「ヒーーー、ヒョーーー・・・」とさえずります。昔の人はこれを鵺(ヌエ)という、頭がサルで、胴体はタヌキ、尾はヘビ、手足はトラの姿をもった妖怪の声だと言って恐れていたそうです。正体を知ってしまえば、夏の夜の一つの風物詩みたいな声なのですが。
この仲間のツグミという鳥は冬に日本に渡ってくる鳥です。公園や畑などの開けた場所で、落ち葉の下のミミズや昆虫などをさがしてぴょんぴょん歩き回る鳥を見たことがありませんか? 冬は繁殖期ではないのであまり鳴くことがなく、口をつぐんでいるので「つぐみ」という名前になったとか。
鳴かないツグミの名をもらっていながら、声に特徴があるのがツグミの仲間たち。トラツグミだけでなくアカハラやクロツグミなど、他のツグミの仲間もとてもいい声で鳴きます。
妖怪の声の主は実は「鳴かぬ鳥」。声にも面白い逸話があるものですね。