戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

南の島からはるばる??

今日もまた四国のお土産話を1つ。
高知県足摺岬の近くの海岸を歩いていると、浜辺に白く丸いものがころころ落ちていました。3cmくらいでしわが寄っていて、それぞれ不揃いにいびつな形。拾ってみるとコルク質で弾力があります。

イメージとしては、「ひからびた脳みそ」です…
まわりにあったのは、大きくて細長い葉を広げた植物が数株。
もしかして、この植物のタネか!? と半信半疑でしたが、近くの売店で同じ物がバケツに入って売られており、正体はすぐにわかりました。
ハマオモト(別名ハマユウ)のタネです。確かに拾ったうちの1つは早くも芽が出かかっていました。


(↑写真は足摺岬に咲いていたもの)
ハマオモトはヒガンバナの仲間で暖かい地域の海岸沿いに生えます。伊豆の海岸でも生育しているのを見たことがありました。タネが海流にのって運ばれることが知られていますが、実物を見たのは初めてでした。確かにこれなら水に浮いて何日も旅ができそうです。浜辺に生えていた親株も、もしかしたらもとは遠い南の島からやってきたのかもしれません。
こういう変わったタネはタネ収集家冥利につきます。またいいコレクションが1つ増えてしまいました。