戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

熊野みやげ その2

今日もお土産話です。
熊野地方には何度か行っているのですが、博物館の職員になってからは初めてでした。地質の知識を少しばかりでも入れて旅行すると、同じ場所でも違った角度から見れて面白かったです。
その1つが石。
熊野のあたりの海岸は砂浜ではなく、石ころがごろごろしている礫海岸です。近くの川が大地をけずってきたかけらが、海岸に積もっているのです。
よく見ると石ころにはいろいろな色、模様があって、見ていて飽きません。

いくつか特徴的なものをお土産に拾ってきました。左上の黒いのは「那智黒」と言われる碁石の材料になる石で、泥が熱で固まってできたそうです。白いものは火山灰由来のもので、熊野では神前にそなえることもあるそうです。他にも赤っぽいもの、緑色のものなどのチャートと呼ばれる古い時代の堆積物が圧力を加えられてギュッと固まったものもありました。
波の音を聞きながら、そんな大地の歴史に思いをはせ、なかなか贅沢な時間をすごしました。
もう一つ、昨日に続き「所変われば」の食べ物ネタです。
季節がらスーパーで柏もちがよく売られていたのですが、良く見ると、もちを包んでいる葉っぱが柏ではありません。でも商品名は「柏もち」???

実は、西日本では地域によって、柏餅はサルトリイバラという植物の葉で包まれているんです。長崎の知人から聞いてはいましたが、実際みると、なんとも不思議な気分です。柏の葉が手に入りにくいなどの理由があるのでしょうか?
ちなみにサルトリイバラは根がサンキライと呼ばれる漢方薬で、とげがある植物です。

なお、昨日ご紹介した白アン入りメロンパンは、調べてみると神戸が発祥の地で、関西を中心に普通に売られているそうです。別に南紀州特産ではありませんでした。
形がマクワウリの形に似ているということですが、それではメロンパンではなくウリパン?? と思わないでもないですが…