戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

修験者に出会う

戸隠連峰の一つである戸隠山は、標高2000メートル近くある山。その独特な形から「天の岩戸」が九州から飛んできたという伝説があります。
この山、400万年前から200万年前の戸隠が海だった頃に海底火山の噴出物や海の砂や泥がたまってつくられたといわれています。戸隠山からは、冷たい海を好む貝や魚の化石もみつかっています。このことから、400万年前には戸隠には海が広がっていたのですが、今では標高が2000メートルほど。大地の動きのすさまじさがわかります。
戸隠山の砂や泥からできているところは脆くこわれやすいことから、上級登山者向けのけわしい山となっています。
戸隠山は、古くから修験者(しゅげんじゃ)の集う場所でもありました。武田信玄上杉謙信の戦の時代にも、修験者や信仰者たちが戸隠につどっていました。
きのう、当館に和歌山の熊野から修験者がいらっしゃいました。ツキノワグマの皮を腰にまとい、頭布(ときん)とよばれる小さな黒帽子、白装束。私ははじめて修験者をみたので、写真をとらせていただきました。さすがにツーショット・・・とはいきませんでしたが。

戸隠の修験者は、太古の海と対話しながら修行しているのでしょうか。