戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

講演会

今日は企画展「保科五無斎 〜没後100年展」を記念して、講演会が開かれました。
演者は県内の歴史に非常に詳しく、五無斎研究もされている宮下健司先生です。

先生のファンのかたも多く、用意した席もいっぱいになるほど盛況でした。

五無斎が作り、県内の小学校に配布した「長野県鉱物標本」を手がかりに、五無斎の人となり、彼の主張、彼を応援した人々、さらに時代背景なども、宮下先生を通して鮮やかによみがえります。

五無斎は「奇人」という評価がよく聞かれますが、明治という時代を駆け抜け、独創的な教育に心身を費やした、先進的な人であることがよくわかりました。

そして、彼が今に残すメッセージ、「子どもたちに実物を見せ、直感を大切にする教育を」は、博物館で仕事をする自分たちの胸にも響きました。

人が後の世に何を残すのか、それは受け取る私たち自身が判断する部分も大きいことなんでしょうね。