戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

今年最後の自然観察会

今日のお題は「解剖と木の実工作」です。
毎年妙な組み合わせでやっています。


今日の子たちはテンとミシシッピアカミミガメです。


テンはこの辺にもいる在来生物です。
この子は井戸に落っこちて衰弱死したものです。


カメはミドリガメの愛称で売られている
アメリカ原産に種類で、
要注意外来生物に指定されているため
駆除される場合があり、この子も駆除後に
館へ持ち込まれたものです。

さて、カメはどうやって解剖するの?
ヒントは写真に写っています。






のこぎりで甲羅を切り、甲羅をはがします。
あとは他の子と同じ。


甲羅の下からでてきたおなかの中は
卵でいっぱいでした。
中には殻つきのものもありました。

実は駆除されたのが6月なので
ちょうど卵を産む時期!


どうやら卵を産む場所を探しているときに
捕まったようです。


テンの方は、まちがって罠で捕まった翌日に逃がされて
井戸に落っこちた子なので
井戸をはい上がれなかったのは
ご飯を食べてなくて弱っていたからだと
思っていましたが、
解剖すると骨盤を骨折していました。
のぼれなかったのは、そのためだったのです。


解剖するといろいろわかりますが、
今回は彼らの事情や最後の物語がわかったら
なんとなく切なくなりました。




さて、一方の木の実工作はというと
今年も子どもたちの生み出す作品には感心させられました。
時期も時期なのでって一緒につくったクリスマスリース
見事なものです!

今年はこれで館主催のイベントはおわりですが、
年明け後の自然観察会もいろいろ準備してます!
1月は ぴかぴか光る泥だんご!
2月は スノーシューで雪上探検
3月は 茶臼山へ春探し(茶臼山動物園北口駐車場集合)
といろんなことをやりますので
冬もめげずに博物館にお越しくださいませ。