戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

謎の骨…

先日、地元の方から、電話がはいりました。

「謎の骨が落ちている… 大きいし、頭の骨らしい…」

雪解け後には、時々あることです。


こうした地域の自然の情報が入るのが、この館の特徴でもあります。

考えてみると、ありがたいことです。



職員が駆けつけ、拾ってきました。

これです。




拡大してみると…





ノコギリで切断してあります。

切断した面には、牙(犬歯)の断面がよく表れています。

よく切ったものです… ヽ〔゚Д゚〕丿





骨格標本を作る際には、傷つけないようにするので、

このように頭の骨を切るという、思い切った行動はできません。



イノシシの頭骨と判明!

第3大臼歯(親知らず)にもすり減りがみられ、

中年の♂と推定されます。

確かに大型で、丸々と太っていたものと思われます。

害獣駆除の個体でしょう。




昭和の時代、イノシシは戸隠にはいないとされていましたが、

時を追うごとに増えてきています。

散歩中に出会うのも、驚かなくなりました。

それだけ、普通に暮らしています。

農業被害が深刻になるわけです。

館でも、こうした野生獣とどう向き合っていくか、考えていく必要があります。

よい知恵があるとよいのですが…