戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

秋深し

今日は古い資料の整理で戸隠支所に一日缶詰でした。

しかしこの場所、丘の上に建っている上に3階建てなので、

展望抜群です!

f:id:Naturalhistory:20191113120707j:plain

一昨日の夜の雨で、高妻山は初冠雪。

 

紅葉も最終版。カラマツ林が深い黄色に色づいています。

f:id:Naturalhistory:20191113120835j:plain

f:id:Naturalhistory:20191113120852j:plain

こうして見ると、カラマツ林がけっこう多いことに気づきます。

深まる秋の景色を堪能しました^^

 

さて、今回整理した資料のメインは、終戦前後の手紙などでした。

宿坊のお宅に保管されていたものなので、戸隠講の関係が多かったのですが、

「重要書類」と書かれた包みの中に、いくつかビックネームを発見!

戦前の外務大臣や、パリでも有名な画家、

著名な思想家や神道学者のお名前も。

恐るべし戸隠・・・です^^;

 

なにせ皆さん達筆すぎて文字が読めません。

しかるべき人に読んでもらって内容が確認できたら、

きちんと手順を踏んでご紹介できるようにしたいと思います。

こうご期待です!

 

その中で、今日ご紹介できるのは、このかた

f:id:Naturalhistory:20191113101226j:plain

「草木染」という言葉を最初につかった 山崎斌(あきら)です。

戦前の農村に埋もれていた、手すき和紙や手織物などを世に紹介し、

農村の副業の振興をしようとしたかたです。

 

戸隠とのゆかりが深いのは、柵産の和紙をとても気に入っていた

ということ。

「月明紙」と名付けて出版物にも使っていました。

この名刺も、柵産の和紙を使っているのかもしれません。

 

当館でも以前に草木染についての企画展を行っていて、

彼や月明紙についても紹介しています。

また、今年はもう終わってしまいましたが、

年に一度ほど、草木染のイベントも行っています。

https://naturalhistory.hatenadiary.jp/entry/2019/09/15/173431

 

深まる秋の戸隠を眺めていると、

戸隠を訪れた先人の気配が、

なんとなく感じられるような気がしました。