戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

マメを求めて

今日は「博物館わくわく入門」の講座の中で、

豆展にちなんで野外に野生のマメを探しに行きました。

 

日差しも時々しかささず、風も冷たい中だったのですが、

熱心に探索してくださった参加者の皆さんに感謝です!

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フジ、クサフジ、クズ、ツルマメ、ヤブマメなどなど、

おかげさまで、半日で13種類ものマメの仲間を見つけることができました。

 

企画展でも展示していますが、

大豆のご先祖様(左:ツルマメ)と小豆のご先祖様(右:ヤブツルアズキ

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どちらもさやから落ちる前のものを、かろうじて採集できました。

縄文時代から品種改良を重ねて、今の粒の大きさになったそうですが、

この大きさのものを集めて食べていたことに驚きます。

 

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サンショウやミズキ、マタタビの実など、

マメの仲間以外にも、いろいろと出会いがあって豊作です^^

 

部屋に持ち帰ってから、小さいさやを慎重にわってみました。

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こちらは、コマツナギです。

さやに虫食いの穴が開いていたので心配したのですが、

かわいいマメを取り出すことができました。

 

さらに小さかったのは、アカツメクサ(レッドクローバー)です。

小さい花が集まってピンクのかわいい花(花序)になっていますが、

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枯れるとマメのさやがあるなんて、想像がつかない姿です。

一つ一つの枯れた花をほぐすと、花の付け根のがくが姿を現します。

それをさらにもむと、中から出てくるのは、

極小のマメが1粒!

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今日は、1つの花序から、最大5粒しか出てきませんでした。

案外、受粉の効率が悪いようです。

実際にみてみるって大事だなと思います。

ルーペで見たそれぞれのマメの姿も違っていて、印象的でした。

 

身近な素材でいい発見ができてよかったです。

改めて、マメの魅力にはまってしまいました。

 寒い中、お疲れさまでした!