戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

ソバの花にズーム

梅雨のさなか、戸隠名産のソバの花が咲いています。

この時期は、お盆前に収穫する夏ソバです。

 

先週は、戸隠支所の3階から、遠くのソバ畑を遠望

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雨上がりに霧が出て、ちょっといい感じ^^

 

先日の休みには、上の写真の場所まで家から散歩しました。

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暗くなりだした花畑と、山から差し込む夕日

うっとり眺めてしまいました。

 

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緑に映える白のコントラスト

奥のスギの木には、マタタビの白い葉もくっきり。

 

ソバの花はもちろんアップで見てもきれいです!

もし近くで見る機会があったら、

雄しべと雌しべに注目してみることをお勧めします。

 

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同じソバ畑の花の中に、

雌しべ(花柱)が長くて雄しべが短い「長花柱花」

雌しべが短くて雄しべが長い「短花柱花」

この2タイプが、ほぼ半々ずつ見られます。

(品種の違いではなく、ソバという種がもっている特徴で、

 サクラソウの仲間や、ツルアリドオシも同じ特徴をもっています)

https://naturalhistory.hatenadiary.jp/entry/20170624/1498290668

 

これらの違うタイプの花の間で、花粉が運ばれ受粉すると

ソバの実がみのります。

この時期は雨が多いので、梅雨の晴れ間にハナアブやハチが飛び回り、

受粉が行われないとうまく実らないのです。

 

そろそろ夏ソバの花の時期は終わりです。

今日の午後も突然の大雨が戸隠地域を襲いましたが、

すでに受粉はうまく行われたでしょうか?

お天気が不順で農業も大変なご時世ですが、

戸隠特産のソバが豊かに実ることを祈ります。