戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

貴重な体験でした。

現在、戸隠神社の中社の大鳥居の建替え工事が行われています。

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こちらは以前のようす。昭和12年に建立されたものです。

 

今は倒して、観光案内所の駐車場に置かれています。

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上の笠木が長さ15mあるとのことで、

近くで見ると本当に大きい!

奥社の社叢林の杉の大木を使ったそうです。

 

以前にブログでご紹介した、この鳥居の基礎も、

予想をはるかにこえて大きなものでした。

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80年以上前に、人力で、どうやってこれだけのものを作ったのでしょう。

新しい鳥居の工事をされている責任者のかたも、

想像がつかない、とおっしゃっていました。

 

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解体された横木の内側には

職人さんたちのお名前が書かれていました。

彼らの仕事の素晴らしさに、ただただ感心するばかりです。

 

今日は新しく立つ鳥居の、

かんながけの見学をさせてもらいました。

鳥居があった場所のすぐ前に仮設の作業小屋が建っていて、

その中で日々職人さんが大木を削っています。

中に入ると、カナダ産ヒノキの強い香りが立ちこめていました。

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こちらは2本の柱になる材です。

戸隠に運ばれてきたときには八角形だったそうです。

だいぶなめらかになっていました。
実際に建てば地上10mになる部分を触らせてもらいました^^

 

かんながけも体験させてもらいました。

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何度かチャレンジさせてもらううちに

上手にひけるようになったかたも^^

削りとった屑もお土産にいただきました。

 

100年に一度かと言われる珍しいできごとが

コロナや大雨など、身近におきていますが、

かんながけはとても貴重な、ありがたい経験となりました。

 

工期は今年の年末まで。

年があければ新しい鳥居が見られる予定です。

無事に建立されることを祈ります。