戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

臭い水を訪ねて!

先日、長野市立博物館本館の皆さんと一緒に、調査をしてきました。

 

このところ暖かい、晴れの日が続いているので、野外が楽しい!です。

 

市内のs川では、今でも石油や天然ガスが少しづつ湧き出しているのです。

 

 

 

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そうした場所は、石油臭い場所だったので、

 

そこから湧き出した水は「臭い水」(くそうず)と呼ばれてきました。

 

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辺り一帯、石油のにおいがプンプン!

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水面には、石油の膜が確認できました!

 

長野の石油は、善光寺地震の際に、

急に噴出量がふえたので、注目を集めました!

 

明治時代初期に、長野石炭油会社が設立!

 

日本初の石油会社の誕生で、石油産業がはじまりました。

 

当初は、浅川沿いで日本初の機械式掘削も行われています。

 

しかし、石油の質が悪かったので、この事業は失敗に終わります。

 

長野は、そんな歴史を持つ場所です。

 

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わずかながら石油が湧く現象を、油徴(ゆちょう)と呼びます。

 

その近くにある凝灰岩の露頭です。

 

この地層は、北部フォッサマグナに堆積したもので、

新潟や秋田の油田の地層と連続していきます。

 

石油が湧くのも、こうしたフォッサマグナの形成と深く関わっているのです。

 

追伸

明日は、10時半から1時間ほど、柴犬館長が降臨(予定⁉)

館長も皆さんとお会いできることを楽しみにしているそうです…

あとは、秘書のご機嫌取り次第です。

 

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お待ちしている、わん!とのことでした。