戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

うろつく 地質屋

日曜日、いろいろな用事もあり、来館されるお客様の合間をぬって、

いろいろとうろつきました…

 

お天気もよいので、最近、気になっていた場所を調査

 

まずは、土砂崩れの現場…

 

土砂の流出は、天気がよいと止まっています。

 

土砂の撤去も進んでいます…

 

気になるのは、どこから崩れ出しているのか、ということ…

 

対岸からまず眺めます…

 

 

かなり上の方から、崩れているようです…

 

したからでははっきりとは見えません(高圧電線の鉄塔の位置にご注目を!)

 

 

さらに高い位置から見てみます…

 

先日、対岸の市道から見たときはわからなかった、小さな道を登りました…

 

そこから、よく見えました…

 

 

同じ鉄塔の場所から判断すると、鉄塔の1、5倍分の下から崩れているように見えます。

 

鉄塔は標高約700mに位置します、

すると、標高670mぐらいから落差70m以上は崩れているのかも…

        (これは、あくまで目測による概算値)

 

けっこうな高さですね…

 

この通行止めは、梅雨が明けないと、解除されないかも…

 

博物館にやってくる大型バスには、迂回をお願いしています…

 

 

もう一か所、気になっていた青いビニールシートの下をのぞいてきました…

 

 

シートの下に、待望の崖(地層)がみえています…

 

不審者のように、フラフラと露頭に近づいてしまう、地質屋のサガ…

 

 

白い、白すぎる…

 

地質図に書いてあったとおりです…

 

これは、酸性火山灰層 しかも、ぶ厚いです…

 

 

岩が割れた部分をみると、かなりガラス質…

 

猿丸層の中でも、ここが一番厚いかも 

 

約250万年前の火山灰層、北アルプス方面から飛んできたもの…

 

ちょうど、第三紀と第四紀の境界付近の地層となります…

 

いや、面白い…

 

 

🐕「ワシもよくうろつくが、地質屋という人種も大変じゃのう…」

 

いえいえ、仕事ですから… 楽しいですよ…

 

崖を見るのは…

 

🐕「腹のたしにはならんがな…」

 

いやいや、そのおかげで柴犬館長はエサがいただけるのです…

 

それを言っては、おしめぃだぁ…

 

そこは、グッとこらえて、笑顔で乗り切りました…

 

今日もおあとがよろしいようで…