戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

市内を見て回る

昨日は、文化財課の皆さんと市内を回りました。

 

わがままを言って、専門家の調査に野次馬として参加…

 

 

 

今日は、建築史が専門の先生と戸隠&善光寺界隈を巡った報告です。

 

いろいろと面白い発見がたくさん…

 

やはり、現場百回です、

 

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まずは、奥社の入り口…

 

もっと雪があるかと思えば、そうでもありません…

 

うーん ちょっと複雑

 

宝光社社殿を見学…

 

板戸が閉めてあったので、板戸の落書きをじっくりと見ることができました…

 

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墨書は、良く残ります… 尾張の国からの来た御仁のもの…

 

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こちらは、明治十三年という文字が判読できます。

西暦でいえば1880年か、   142年も前のもの…

 

なぜ、ここに落書きを…

 

命がけの旅だったのでしょうか…

 

そんな談義をしながら、善光寺へ…

 

宿坊群をじっくり見てみました…

 

中には、こんなものも…

 

気が付かなかったなぁ…

 

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昔、よく泊まった宿坊だったのですが…

 

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石川県美川町(現在は、白山市とのこと…)

 

地元の銘石をわざわざ運んできたものと思われます。

 

グリーンタフ(緑色凝灰岩)でした…

 

日本海沿岸でみられるもの、この時代のものは、長野県内でも確認できます。

 

比較的軟らかく、加工しやすい石材でもあります。

 

わざわざ石川県の石をもって来たところに、

 

善光寺信仰の奥深さを感じました…

 

善光寺の南端には、こんな石垣も…

 

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裾花凝灰岩層由来の大きな石が使われている石垣を確認…

 

どうやって、こんな大きな石をここまで運んできたのか…

 

ある仮説が思い浮かびますが、実証できれば面白い…

 

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郷路石を使った、排水路も善光寺門前で確認…

 

上の段、中・下段と石積みが変化しています。

 

何があったのでしょうか、

 

人と石の使い方がまだまだ調査されていないことに、気づきました。

 

もっと、門前町も歩いてみないと…

 

地質屋さんの強みをいかした、人と石との付き合い方を探ると、

 

善光寺門前町の秘密も解けるかもしれません…(続く)