戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

ユウスゲも求めてます

ヒメアジサイは去年からですが、

その前から、ユウスゲを求めています。

 

きっかけは、ユウスゲを食草にしているカミキリムシを

ボランティアで調べたいという、問い合わせからです。

 

ユウスゲがすでに希少な植物ですので、なかなか難しい質問です。

近くでユウスゲはえている場所を紹介しているうちに、

そのかたは、すっかりユウスゲ研究家になってしまいました。

 

お隣の飯綱高原では見るのですが、戸隠では見ないと思っていたところ、

先日、通勤路で咲きだしているのを発見!

 

レモンイエローの花が目に入って、ビックリしました。

思わず車を停めて撮影。

 

隣の花にはカエルが2匹、のんびり休憩中でした^^

 

田んぼの畔で、今年たまたま、草刈りがあまりされておらず、

花茎を伸ばすことができたのかもしれません。

 

そんな耕作者の高齢化が影響しているのでしょうか、

この頃、同じく畔にはえる近い仲間のヤブカンゾウがにぎやかです。

こちらはオレンジ色が派手。

(山菜で若芽を食べる甘草は、ほぼこのヤブカンゾウです)

ちなみに高原の夏を彩るゼンテイカニッコウキスゲ)も

近い仲間で、葉っぱだけだと区別がつかなくて困ります・・・

 

3年ほど前に小さな苗でいただいた館のユウスゲ

今年は立派に花をつけました。

茎が1m以上伸びてしまい、頭が重くて倒れていたのを

お隣のクララ(マメ科の日本の植物です)に支えてもらいました。

自生地ではススキに飲み込まれるのを心配していますが、

ある程度周りに草がないと、

せっかくの花が台無しになってしまうのかもしれません。

 

夏の花と言えば、先日散歩の途中に見つけたのはこちら。

カラスウリです。

 

夕方に咲く花で、宵闇でも目立つレース状の白い花が

夜に飛ぶ、ガの仲間を誘うそうです。

濃い香りも夜に咲く花の特徴だとか。

 

じつは、ユウスゲも「夕菅」と書くだけあって、

夕方に花が咲きます。

ユウスゲゼンテイカヤブカンゾウの3兄弟で

ユウスゲだけ色が薄いのは、夜に目立つため。

さらにユウスゲだけほんのりと甘い香りがします。

 

ちょっと贅沢なユウスゲの香りを

博物館ではおすそ分けしています。

興味がありましたら、ひょうたん池の近くで

かいでみてくださいね。