戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

最終日もそこそこに^^

朝から冷たい雨が降っていましたが、

(雨だからこそ??)

そこそこにお客さまがご来館されました。

足元の悪い中、ありがとうございます(*^^*)

石や化石が好きな親子連れが多かった印象です。

 

水晶ひろいにはまってしまう子がいたり、

糸魚川の海岸の石の鑑定依頼があったり、

(答えられる職員がいなくてごめんなさいm(__)m)

お土産コーナーで粘ったかいあって

 葉っぱと貝の両方の化石がついた石を見つけ出したり、

それぞれのご家族の熱気が伝わってきました!

 

鶏の鳴きまねをする男の子があまりに似ていたのも楽しかったです^^

 

さて、明日は保育園の先生方に植物の小ネタを披露する会があります。

秋が深まってくると、保育園の散歩で楽しいのは植物の実でしょうか。

昨日のこのブログでも、視察中の柴犬館長にひっつき虫

(長野県の方言でいうところの「ばか」)

がついていたことですし^^

色々な実のシリーズでいこうかと考えています。

 

まずご紹介するのは、昨日、館長のおみ足をけがした不届きもの

 

チヂミザサ

べたべたでくっつく「ばか」の代表格です。

服から落としても、服がべたついていやなか感じが残りますが、

水溶性ののりなので、洗えばべたべたもとれます。

 

ちょっとやぶに入った時によく服につくといえば、こちらも

ヌスビトハギ(盗人萩)

物騒な名前ですが、マメ科の仲間で、2つずつつくさやの姿が、

たびを履いた泥棒が、抜き足差し足で歩いたときの足跡に似ている、

という、なかなかの想像力を発揮したネーミングです。

イメージは昔の風呂敷包みを担いだ泥棒です。

保育園の若い先生には、もはや通じないのでは、と若干心配になります^^;

 

 

顕微鏡で拡大してみると、白い硬い毛がびっしり。

これが服の繊維にからむのでしょうね。

 

先日、植物観察会の下見の時に、

さやの数が多い近縁の外来種、アレチヌスビトハギがびっしりついて、

外すのに苦労しました;;

ズボンのナイロン繊維と相性がよかったようです。

 

さてもう一種類、よくつく機会が多いのはこれでしょうか。

イノコヅチ(猪子槌)

(この名前の由来も微妙・・・ 

茎の節のふくらみがイノシシの子どもの膝頭に似ていて槌のよう、というのですが^^;)

 

縦に並んだ実には小さなとげがついています。

 

このフックのようなとげが繊維にひっかかるのです。

 

たくさん付くと迷惑な「ばか」の実ですが、

植物にとっては、動物にタネを運んでもらうためのしくみ。

よくつく「ばか」こそ、よく見るとそれぞれ工夫が凝らされています。

「ばかの道」を究めているのだな、と感心させられることもしばしばです。