戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

カメの舌に穴?

一昨日の連休最終日に、ボランティアさんを募って博物館恒例の解剖大会を行いました。今回の目玉はカミツキガメです。特定外来生物に指定され駆除の対象になっているカミツキガメの死体は、環境省関連からいただくことが多くなりました。
カメは甲羅を背負っている爬虫類、ということで独特の体のつくりが面白く、解剖ボランティアの間で人気の動物です。今回も3歳児から大人まで20人以上が見守りながらの解剖となりました。

今回の解剖で発見だったのはカメの気道です。なんと哺乳類だと舌がある位置に空気が通る穴が空いているのです! 写真はカメの首にある呼吸のための管(気管)からピンセットを口に向けて差し込んでいるところなのですが、ちょうど舌のところに抜けています。そしてさらに面白いのが、この舌の穴が、カメが口を閉じたときに上あごの鼻の穴に直結するのです!(鼻の穴はそのまま口の中に通じています。)つまり、鼻から吸った空気が舌の穴を通って気道へつながっているんです。
人間とはおよそ異なった体のつくりに、学芸員も含め解剖メンバー全員が強い衝撃を受けてしまいました。解剖するたびに新しい発見と驚きがあり、解剖にはまっていく人が多いのもうなずけます。