戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

八方尾根のスキー場

企画展「河原の石ころ」の関連行事で、松川村白馬村へ石ころ観察にでかけてきました。天気にも恵まれ、なかなか楽しい観察会になりました。ふだん石を見比べることなんてしないのでしょう。みなさん、はじめはどうやって石を観察したらいいのかとまどっていましたが、次第にコツを得たようです。観察会も最後の方になると、自分でいろいろ考えながら観察をしていました。
川には様々な種類の石ころがありますが、やはり面白い石が人気を集めるようです。スキーで有名な白馬の八方尾根は、蛇紋岩という石でできていています。この石は軟らかく、滑りやすい(崩れやすい)性質をもっています。そのために険しい山々が連なる北アルプスでは珍しく、八方尾根にはなだらかな斜面が広がっています。その斜面をヒトがスキー場として利用しているのです。そんな話をすると、一斉に蛇紋岩探しに早変わり。みなさんせっせと蛇紋岩を拾い集めておられました。石の性質と地形には密接な関わりがあります。身の回りの変わった地形を探して見ましょう。もしかしたら、そこは面白い石でできているかもしれませんよ。

松川(白馬村)から望む八方尾根。なだらかな斜面が広がっています。

八方尾根の隣にそびえる白馬鑓ヶ岳。急峻でごつごつした斜面で囲まれています。

お昼ご飯を食べながら、蛇紋岩を探す参加者のみなさん。