戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

柱状節理(ちゅうじょうせつり)


 
 当館への通り道である国道406号線は、裾花川に沿って延びています。長野市街地から鬼無里方面に向かう途中、正面に裾花ダムのかかる巨大な崖が正面に見えた付近で、川の対岸(左岸側)を見てみましょう。何とも変わった山(出っ張りといった方が良いかも!?)があります。山の名を狢郷路山(むじなごうろやま)といいます。柱がたくさん束になったような形をしています。
 この変な形は、マグマが地層中に入ってきて(これを地質の用語で「貫入:かんにゅう」と呼ぶ)、冷えて固まるときに、体積がちぢんで割れるためにできたものです。ガラスのコップに熱いお湯を入れ、そのあと急に冷たい水に入れ替えると、コップが割れることがあります(この現象と同じ原理でマグマも冷えて岩石になるときに割れるのです)。
 この様なたての割れ目は、まるで柱のように見えるので、柱状節理と呼ばれます。狢郷路山を作っているマグマが地層に入り込んだのは、今からおよそ25万年前のことと考えられています。
 当館にお越しの際は、ぜひ眺めてみてください。ただし、わき見運転は危険ですのでご注意下さい。