川中島にある長野市立博物館本館へ貸し出していた標本が戻りました。
長野にある茶臼山の崩落地にみえる地層標本です。
おおよそ600万年前くらいの地層。凝灰岩、砂岩、泥岩、泥炭があります。この標本にある凝灰岩や泥岩は、水を含むとグズグズになるので、いままで大雨や大地震がおきたときに地すべりの原因になり、幾度となく人びとを苦しめてきました。
いっぽう、凝灰岩に含まれる長石や黒雲母といった鉱物は、長い時間かけて風化すると、粘土鉱物にかわっていきます。こうしてできた粘土鉱物は、焼き物に適していて、江戸時代の終わりには「松代焼」がつくられました。
昔のひとたちは、自然の恵みとたまに起こる災害という二側面とうまくつきあう術を身につけていたのかも知れませんね。
この標本は、エレベータを三階で降りたらすぐ目の前にあります。