戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

夏の思い出 チョウ編

大雨の被害にあわれたかたに、心からお見舞いを申し上げますm(__)m

特に能登半島の災害続きには、本当に胸が痛みます。

一日も早い復興を、と願うばかりです。

 

さて、秋雨前線の影響で、戸隠も朝から大雨でした。

しかし昼にはやみ晴れ間がでると、一時、蒸し暑くなったものの、

すぐにひんやりとした空気に入れ替わりました。

前線が南下したようです。

気候や気象の変化に翻弄される日々です・・・

 

過ぎゆく夏の記憶・・・

今日はご紹介しそびれていたチョウの話題です。

 

今年は不思議とウラギンシジミをよく目撃しました。

博物館の玄関周りでも気が付くとひらひら飛んでいます。

 

暑い夏が好きなのかな?

 

羽をとじてとまるので、写真をとると裏側の白一色。

 

 

舞っているときは、表側のオレンジの模様が一瞬見えるのですが

なかなか撮ることができません><;

 

写真撮影が上手な植物観察の仲間に画像を提供していただきました。

 

表と裏のこの斬新な色の差が、このチョウの特徴かなと思います。

 

成虫は樹液や腐った果物が好きだそうです。

発酵臭に引き寄せられた、とすると、

今年は玄関周りでツバメの子育てが続いたので、

フンの残り香が原因かな、とも職員の中で話しています^^;

 

 

近所にお住いの、生き物好きのおじさんが

これは何?とお持ち下さったのも、チョウの死体でした。

 

くっきりとした白黒模様で、

すぐわかりそうだと図鑑をめくったものの、

なかなか該当種がみつかりません。

結局、撮影した写真から画像検索をして、

ゴマダラチョウ と判明。

国蝶、オオムラサキに近い仲間です。

一般的なものより、色が濃く黒い部分が多い個体だったようです。

ちょっと雰囲気が変わるとわからなくなってしまうものだと

痛感しました・・・

 

そして、このゴマダラチョウに近い仲間で

最近県内で増えているのが外来のアカボシゴマダラです。

噂は聞いていたのですが、野外で初めて見ました。

松代の峠道です。

 

後ばねの赤い斑紋が特徴的です。

 

近くをふわりと飛んでいたときに、この赤い班よりも

鮮やかな黄色の口吻(ストロー)に、ビックリしました!

 

かろうじて、頭の下に黄色の巻いたストローが写りました。

 

この違和感が外来種っぽい! とそのときは思ったのですが、

今日改めて図鑑を開いたら、似たようなコムラサキの写真がありました。

 

誤解ですね。失礼しましたm(__)m

 

手元のゴマダラチョウの死体のものも

けっこう黄色かったです。

 

アカボシゴマダラは日本ではもともとは奄美諸島にしか生息していなかったそうです。

最近の本州での増加は、中国産の亜種を人が野外に放ったのが原因とされています。

新天地で、ますます分布を広げてしまいそうです。

温暖化もそうですが、人が自然界に及ぼす影響は、なかなか予測ができません。。。。

 

おまけ

昨日に続いて、ジョロウグモで恐縮です。

花壇のふちを歩いていたら、その拍子に飛び出たカメムシが、

クモの巣にかかり、ジョロウグモのメスが素早く反応。

巣の中央に運んで、糸でぐるぐる巻きにするまでわずかな時間でした。

 

そして、早速食べるのかと思いきや、

まさかの放置!

 

 

カメムシはやはり臭くて食べにくいのかな?

それなら捕まえなきゃいいのに・・・

 

と残念に思っていたのですが、

再び通ったとき、ちょうど食事の最中でした。

 

これもあっという間のできごと。

つまりカメムシの臭いは、クモ対策にはならないということ??

 

いろいろ、フシギの種はつきません・・・