戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

発見

金平糖のような形の土塊を求めて

今日は、以前ブログに書いた金平糖のような形の土塊の手がかりをつかむために、それらがみつかった場所に行きました。田んぼのすぐ横に、20個ほどあちこちに分散して落ちていました。そこは窪地ではなく、砂利が敷き詰めてあって、草も生えており、コロコロ…

自然の金平糖か!?

戸隠生活、毎日が新しいできごとに溢れています。今日は、ご近所さんが博物館に持ち込んだ不思議なものに出会いました。 それは、金平糖のような2センチくらいの塊。田んぼに落ちていたらしいのですが、これは一体なんなのでしょうか。その塊を割って中身を…

ブロクはじめ

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。 さて、戸隠では年末からたくさん雪が降っています。今夜も50cmくらい積もるかもしれないとの予報がでています。出勤しようと玄関を出て、車がすっぽりと雪に覆われているのを見ると、そ…

これは何の実?

先日、地層の調査でインドネシアに行く機会がありました。そこで、変な実がなっている木を見つけました。赤い実の下に勾玉(まがたま)みたいな形の物体がくっついているのです。アパ イニ?(インドネシア語で「これは何?」という意味)と現地の人に聞くと…

食べる前に

かつて博物館実習をした方に プルーンをいただきました。 その実をかじってびっくり。食べる前に食べられていました。 なにかが種をかじっています。 フンも残っています。 さてこの主は どうやら写真中央の穴をとおって 出て行ったようです。 ミバエのよう…

侵入者

館の表に鳥小屋を改良したカブトムシハウスなるものがあります。 今年の春、カブトムシの幼虫をいただいた際に掃除をしたのですが、 その時にカブトムシの幼虫を小さくした(私の手の小指よりちょっと小さい)虫の幼虫が4匹いました。奇跡の子か!っと思い、…

ちいさいいきもの

水の中の小さい生き物は、ふと気づくと増えています。 企画展でゲンゴロウの幼虫を飼育している入れ物でミジンコが増え始めました。 (ともに150倍です。青っぽく見えるのは子どもです) ほかにもなにやら増えてきているようです。 先日の自然観察会でとって…

アキニレ

今日は梅雨のあいまをぬって、隣町の芋井に樹木の鑑定に出かけました。りんご畑の中にぽつんとたつ「天然記念物あきにれ」の石碑。そこから少し離れてはえる1本の樹木はまさしく県内ではめずらしいアキニレでした。もともとは石碑の隣に古木があり、現在の…

池の主

6月21日に自然観察会で行なう ビオトープづくりの下準備として 昨日、池を掃除しました。 その際に生き物も採ったのですが、 こんな子もいました。 丸々と太ったドジョウです。 こんなドジョウが4匹もいました。 魚はフナ類しか見えなかったので、 ドジョウ…

地質調査中に・・・

信州北部をうろうろと地層の調査に行ってきました。地層が露出している場所のこと露頭(ろとう)と呼びます。昔に比べると崖はコンクリートや金網、植物に覆われてしまい、良い露頭がどんどん減っている気がします。そんな中、ある河床では地層がきれいに露…

ほうれん草?

4月にカブトムシの幼虫と一緒にいただいてきたホウレンソウが、花壇の片すみで種を付けていました。トゲの付いた変わった形をしていたので、はじめは何だかわかりませんでした。調べてみると、ホウレンソウには西洋種と東洋種の2系統あるようで、西洋種は丸…

サボテンのトゲ?

実はグミの葉っぱの表面を顕微鏡でのぞいたものなんです。深海のあやしいヒトデの集団にも見えますよね。 グミの仲間の識別ポイントの一つに葉っぱの毛のかたち、というものがあります。そこで博物館に今咲いているグミの葉っぱをとってのぞいてみたら、こん…

竹筒の中から

明日は5月の自然観察会です。竹筒に巣を作るハチたちを呼ぶために、「竹筒トラップ」を作ろうと思います。こうした筒に巣を作るハチはおとなしく、ヒトをおそうことはありません。うまくいけば狩バチがイモムシやバッタを巣に運ぶシーンが見られるかも、と…

“わたげ”の秘密

植物には風の力で種を遠くに運んでもらうものがあります。その方法の1つとして“わたげ”を使ってふわふわと飛ばすものがあります。たとえばタンポポです。“わたげ”がどのような構造をしているのか気になったので顕微鏡でのぞいてみました。どれも同じではな…

トウヒの虫こぶ

昨日黒姫山を登った職員から面白いお土産をもらいました。 スギの実?、松ぼっくり?と思って図鑑をめくるのですが、なかなか該当するものがありません。海外の種類が黒姫の山中にあるとも思えないし何だろう・・・と思っていたのですが、とうとう謎がとけま…

再生

館の周りを歩いていると、 草陰からカサカサと音がするときがあります。 そういう時はたいていこいつです。ニホンカナヘビはトカゲの仲間で、敵に襲われると しっぽを切って、逃げる習性があります(自切)。 いずれしっぽは再生されますが、骨は再生されま…

生えかわり

ペリカンの解剖をしました。非常に大きな鳥で、翼を広げると270cmもありました。その風切羽(翼のハネ)を標本として残すために1本1本丁寧に抜いたのですが、おもしろい発見をしました。当り前ですが、鳥のハネも生え替わります。しかし、どうやって生えてく…

オオイヌノフグリのタネ

オオイヌノフグリと聞けば青くて小さなかわいらしい花を想像しますよね。でも名前がなんとも妙だな、と思いませんか? 実は「犬のフグリ」という似た仲間があって、それより大きな花なので「大」がついたのです。その名のもとになっているのは実の形。写真の…

ホウレンソウに花が!

昨日のことですが、近所のかたからカブトムシの幼虫と共にホウレンソウをいただきました。しかも花が咲いています! ホウレンソウはアカザの仲間ということは知っていたのですが、花を見るのは初めてでした。確かに秋に咲くアカザの花によく似ています。写真…

こんなところに!?

昨日、長野市小島田町にある長野市立博物館本館に特別展の手伝いに行ってきました。駐車場に車を止めようとしたところ、何やら茶色い物体がチョロチョロ動いているのが目に入りました。何だろうと、車の中からそっと様子をうかがっていると、小さめの若いイ…

学芸員の性・・・

味噌汁を作ろうと、ちょっと日がたった白菜をむいていたら、白菜の葉と葉の間から新しい芽が出てきていました。白菜やキャベツをほっておくと、中心部から花芽が伸びてしまうことは、たまにあるのですが、葉っぱの間から芽を出すのは初めて見たので、これは…

お早いお寝覚め

ホウジャクを館内で見かけました。昼間に飛んでいるスズメガの仲間で、ハチドリのようにホバリングして、花の蜜を吸います。成虫でも越冬するそうですが、あまりの暖かさに間違って目を覚ましてしまったようです。「花もまだ咲いていないので、もう少し寝て…

玄関のシンシュウゾウに髪が!?

実はこれはヤドリギです。クリの木の枝に寄生してはえていたものが、先日の強風で落ちてしまったようなので、シンシュウゾウの頭に引越してもらいました。黄色くて丸い実はつやつやしていていかにもおいしそう。実際レンジャクという鳥の仲間がこの実を好ん…

フタの下で

冬の間あまり使わない外の水道を使おうと、不凍栓のフタをあけたらナメクジが産卵していた・・・ 調べてみたら、春・秋に産卵することが多いが、冬でも産卵することもあるそうです。 でも、戸隠の寒さはけっこうこたえます。 この寒い時期に卵産んで大丈夫か…

光の破線

館には玄関ポーチがあります。その柱のわずかな隙間をすり抜けた太陽光が、破線状に柱を照らしていました。太陽と柱の微妙な角度がつくったこの光景は、今日だけの贈り物かもしれません。#雑 #光