戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

標本

フラミンゴ

ピンク色の片足で立っている鳥というイメージです。 立てなくなったらどうなるのか? 実は足が腱鞘炎になって立てなくなった子が 動物園で亡くなりました。 フラミンゴは群れで行動するため 1羽だけにするとさびしいからか エサも食べなくなるそうで、 隔離…

天然の干物

ここはミドルヤード[展示室(フロントヤード)と収蔵標本(バックヤード)の間をつなぐ場]を売りにしているので、ワークルームを掃除していたところ、こんなものが出てきました。 カジカガエル(河鹿蛙)の干物です。 この子は大きいのでメスだと思われます…

ひげ

これは“ほうき”ではありません。 クジラのヒゲの一部です。ある小学校から寄贈していただきました。 ヒゲと言っても私たちのヒゲとは全然違います。 これが上あごにびっしりと生えていて、海水からエサだけを濾(こ)して食べるのです。 このヒゲ、私たちの…

引き続き

3連休の最終日、さぞかしお客様も多いかと 思いきや、とても寂しい一日でした。 そんな今日も解剖のお話です。 本日はタヌキ(×2)他をやりました。 タヌキはともに交通事故で亡くなったものです。 そのうちの1頭が大きなおなかをしていたので もしや!と思…

最後の声

ホネの標本を作ることも重要な仕事で 今日はその第一段階の解剖を行ないました ホネにするために不必要な部分を取り除く作業で 上は60代?から下は4歳までが参加しました。うりぼう(イノシシの子ども)、ワニガメ、オシドリ2羽、ゴイサギを 解剖しました解…

世界最大の豆

インドネシアに学術調査に行ってきた職員が、素晴らしいお土産をもちかえりました! 世界最大の豆「モダマ」です。 サヤの長さは70cmもあり、何かの彫り物のようですが、それぞれ仕切られた小部屋の中に豆が入っている、れっきとした植物の実です。日本に…

不幸中の幸い?

鳥の頂き物も続いています。 先日はシロハラが 今日はアトリが (↑↓冬羽のアトリです) 窓にぶつかって亡くなりました。 こうした事故は最近増えているようです。 この辺でシロハラもアトリも 冬から春にかけてしか見られません。(←訂正しました) 長い旅を…

秋の企画展「河原の石ころ」の効果か このところ石の頂き物が続いています。 とてもありがたいです。 ひとつはこちら なかなか展示場所がみつからず、事務所にひっそりと展示中。 シマシマな石(層状のチャート)は犀川の石で、 ダムができる前の河原には普…

シンボル

現在、テンの全身骨格を作成中。 ばらしても組めるものを目標に模索しながらなので 遅々として進みません。 さらにこの骨はなんだろう? (なんとなく思い当たるものはあったのですが、でかすぎないか?) と思いながら進めていました。しかし、進むにつれて…

職場体験〜動物編〜

温かで、紅葉も進んだせいか、多くの来館がありました。 一気に有料入館者のカウントダウンが進みました。 有料入館者10000人達成日の予想は今がチャンスです。 詳しくはこちら 今日は市内の中学生が職場体験に来ました。 まずは館内を見学しました。 …

○バンゲリオン?

先月から館周辺をきれいにする必要があり、 周りに転がっていた骨たちもきれいにしていました。 そのうちの一つがようやくきれいに仕上がりました。さてこいつはなんでしょう? ○バンゲリオンのようですっと職員ではもっぱらの噂です。ヒント2です いちばん…

廃品回収

今日は市内のW小学校へ、理科教材の廃品回収に伺いました。 午前・午後で、2往復しての作業です。 ふる〜い棚もいただきました。 なかなか見事な金具も付いている立派なものです。 壁や黒板にかけて使う教材です。 昔の教育を知るのにも興味深い1品です。 来…

妖怪の正体は、、、

今日、戸隠のかたから鳥の死体が届けられました。今年生まれのトラツグミです。 黄色と黒のまだら模様が確かにトラを連想させます。ずんぐりしていて結構かわいいです。 この鳥、実は鳴き声が変わっていて、繁殖期である夏、夜になるとなんとも物悲しい口笛…

恐竜のタマゴ?2

先日、こんなものをいただきました。 恐竜の卵の化石じゃないのか? という感じで持ち込まれました。よく見ると、少しひびが入っていて、そこから割ると なんと!!! 見事な黄身があるじゃないですか! タマゴだっ!!!!!!っと、叫びたくなりました。 …

恐竜のタマゴ?

先日某所から頂きました。 この黒っぽいタマゴはなんのタマゴでしょう? (ちょっと遊んでみました) (大きな生き物のタマゴっぽくみえるでしょ?) 実は鳥のエミューのものです。 産みたてはもう少し緑色が強かったようですが、 時間がたつとこんな黒っぽ…

どんぐりの背比べ

先月末から連休をいただき、実家や親戚の家に行ってきました。そのお土産は長野市周辺ではなかなか見ることのできない「どんぐり」です。 一口にどんぐりと言っても、じつは木の種類によっていろいろなものがあります。このあたりでよく見られるミズナラやコ…

3日がかり

忙しく働く職員を横目に、ここ数日 きれいに洗った骨の組み立て作業をしていました。 それがようやく形になりました。実はちゃんと組み立てるのは初めてだったので、 様々な資料を見ながら、悪戦苦闘。まだ未完成ですが 何だかわかりますか? 鳥ですね。 な…

カメの舌に穴?

一昨日の連休最終日に、ボランティアさんを募って博物館恒例の解剖大会を行いました。今回の目玉はカミツキガメです。特定外来生物に指定され駆除の対象になっているカミツキガメの死体は、環境省関連からいただくことが多くなりました。 カメは甲羅を背負っ…

遠方からのお客さま

当館の評判を聞きつけて、はるばる秋田から来館した大学生がいました。平日は館の最寄りのバス停(参宮橋入り口:道のり約3km、標高差150m)から、本数は少ないのですがコミュニティーバス(戸隠地域を回る小さなバス)が出ています。しかし、今日は祝日・…

ヘルメット

博物館では、様々な方から標本をいただきます。 昨日は愛知県で鳥の調査をしている方からこんなものが届きました。 調査していた海岸に漂着していたそうです。 ほぼ生前の顔立ちのままです。 なにかわかりますか? 答えはウミガメです。 いただいたのはアカ…

ペリカンの骨洗い

冷たい雨が降る中、ボランティアさんが骨洗いをしてくれました。お相手は春に動物園でおなくなりになり解剖されたペリカンです。半年水につけられている間にすっかり肉が落ち、歯ブラシでみがくときれいな骨が現れます。 写真の箱の中の一番上がペリカンの頭…

造形美

昨日、戸隠内のある会社から、スズメバチの巣を寄贈していただきました。高さ60cm、奥行40cmほどもある大きなものが2つ! しかも2つとも7〜8年前の同じ年に会社の壁につくられたそうです。これだけ見事なものが2つもあったら、さぞかしその年はたくさ…

ツキノワグマの頭骨

8月8日の自然観察会の際に紹介しました 子どもたちがきれいにしたツキノワグマの頭骨を ワークルーム2についに展示しました。 (なんとかその月のうちにできてほっとしています。) ワークルーム2の入口付近にあります。 学校机の展示ケースに堂々の風格です…

イタチ

長らく館の入り口付近で水につけられていたイタチがきれいに骨になりました。 (イタチの頭骨:形状から成熟したメスのものだと判明) かなりの美人でしょ。 (全身分のホネセット)骨盤やろっ骨が少し折れていた以外の損傷はなく なかなか状態のいいイタチ…

第5回自然観察会

今日は先日までの大雨さえなければ、 裾花川で生き物を調査する予定でした。 でも、雨のあとに川に入るのは危険ですので、 内容を変更して行いました。 午前中は葉脈しおりづくりをしました。 実験も兼ねて、様々な植物で試してみました。うまくいかないもの…

逆さトックリ

旧館北側の窓枠に逆さトックリができました。 おそらく正体はこいつです。 キイロスズメバチです。 昨年も、3階家庭科室のベランダや 館西側の渡り廊下などに巣を作りました。 危険な生き物ですので、巣は撤去しますが、 観察するにはちょうどいい場所に作…

うりぼう

漢字で書くと瓜坊です。イノシシの子どもで、背中の模様が瓜(うり)に似ているのでそう呼ばれるようです。まだ小さく、歯が生え始めたばかりなので、この春生まれた子供でしょう。このくらいのサイズのままでいてくれれば、非常にかわいらしくて良いのです…

“わたげ”の秘密

植物には風の力で種を遠くに運んでもらうものがあります。その方法の1つとして“わたげ”を使ってふわふわと飛ばすものがあります。たとえばタンポポです。“わたげ”がどのような構造をしているのか気になったので顕微鏡でのぞいてみました。どれも同じではな…

トウヒの虫こぶ

昨日黒姫山を登った職員から面白いお土産をもらいました。 スギの実?、松ぼっくり?と思って図鑑をめくるのですが、なかなか該当するものがありません。海外の種類が黒姫の山中にあるとも思えないし何だろう・・・と思っていたのですが、とうとう謎がとけま…

生えかわり

ペリカンの解剖をしました。非常に大きな鳥で、翼を広げると270cmもありました。その風切羽(翼のハネ)を標本として残すために1本1本丁寧に抜いたのですが、おもしろい発見をしました。当り前ですが、鳥のハネも生え替わります。しかし、どうやって生えてく…